ギターはその美しい音色や、伴奏やソロも出来る事や、持ち運びが出来るなどいろいろな理由でとても親しみやすい楽器の一つですが、その持ち味を生かした演奏をするのはかなり難しい楽器でしょう。
　ひとくちにギターを習うといっても希望する音楽のジャンルや演奏スタイルによってもアプローチが違ってきます。
例えば、ストリートミュージシャンのように歌を唄いながらコードストローク中心で伴奏する演奏スタイルと映画音楽などをソロで演奏するというスタイルではかなり違ったアプローチが必要です。
ただ、本当の音楽性のある演奏という意味では両者は最終的には相反するものにはならないとは思いますが・・・・。
コードの押さえ方だけは知っているが、それがどの音を鳴らしているのかを知って演奏しているかいないかだけでも演奏の中身が違ってくるでしょう。
すこし前、入門希望の方に入門の理由をお尋ねしたら
「『禁じられた遊び』は弾けるが譜面がまったく読めません。だからレパートリーが増えないし、押さえ方を忘れると弾けなくなる。自分の演奏はただ指が動く曲芸みたいなもので音楽とはいえないんじゃないか・・・。」 という事をおっしゃっていました。
確かに譜面が読めるようになる事は絶対とは言いませんが、音楽をより楽しむ面で大切な事ですね。
そういう意味で、クラッシック奏法を学ぶ事はほぼ全ての演奏スタイルに対してジョーカー札を持つ事といっても過言ではないでしょう。
ただ、クラシックというとなんとなく敷居が高いと感じる方がいるでしょうが、何もクラシックナンバーだけを演奏するという事ではなく、いろんなジャンルの曲を演奏できる可能性のあるのがクラシックギターだと確信しています。
うちの教室では、演歌ばかりを練習している人、ポップスだけ、映画音楽だけ、などいろいろな方がいらっしゃいます。
かく言う私は、もともとフォークから始めてボサノヴァ、映画音楽とほぼジャンルには無頓着にその時いいなと思ったものを演奏してきましたし、クラシックナンバーも同じ理由からです。

　出来る事ならクラシック奏法を基礎から学ばれる事をお勧めします。